2012年07月

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 敗戦直後の日本を活写した資料的にも貴重な映画である。戦前からのコメディアンや漫才師、落語家などが出ている喜劇だが、ややスタイルが古いので、笑えないところもあるにはある。この中で「あのね、わしゃかなわんよ」の台詞が有名な高勢実乗も出ているが、これが最晩年の姿ではなかろうか。この人は3年後には亡くなっている。戦前の日活や東宝で大いに活躍した人だった。主人公五人の中では、エンタツ&アチャコは有名な漫才コンビだった。エンタツは東映の「旗本退屈男」で円太役でレギュラーをやっていたし、アチャコは私はテレビのバラエティやドラマで知っていた人であった。石田一松はこの後、国会議員になったそうで、タレント議員第一号なのだそうだが、私はあまり馴染みがない。
 
 しかし、普通うちひしがれた世相にこういう喜劇が製作されるというのは私には驚きである。当時の人は逞しいと思う。また、笑いで現実の憂さを晴らしていたのであろう。

 これには驚いた。インドの入場時に全く関係ない女性が一緒に歩いていたというのだ。全く堂々としているのですぐにはわからなかったようだが、服装が周囲と全く異なる。あれだけ厳重な警備をしたはずが、この様では、その関係者はさぞかし衝撃ものであろう。

 
 日活のスター石原裕次郎が自らのプロダクションを立ち上げた最初の作品。市川崑監督を迎えて堀江謙一氏の体験を映画化したものだ。
 
 話の内容から殆ど主人公の一人芝居になるような内容だが、適宜回想シーンを織り込み、家族や友人の関わりを入れているのは当然の作り方かと思う。裕次郎主演だから、スーパー・ヒーローかと思ったら、どこにでもいそうな青年に扮しているのだ。時折市川監督独特の俯瞰撮影があって、人間の存在を小さくみせたりする場面もあった。両親は「おとうと」でも夫婦役を演じた森雅之と田中絹代。前者の謹厳実直さと後者の母なる強さがよく表われていたと思う。また他の作品では恋人役が多い浅丘ルリ子がちょっと控え目な妹役というのも意外な配役である。
 
 別に堀江青年の太平洋横断を賞賛している訳でもないところが市川作品らしい。自然の前の人間の存在の何と小さいことか、これをよく表した映画だと思う。

 衛星中継によって、離れた場所の催しがクリアな画像で観られるのはありがたい。今回は、クラシック界からはBPOの常任を務めているサー・サイモン・ラトルがロンドン・フィルを振っていた。何とその中に「ミスター・ビーン」ことローワン・アトキンソンがいて、観客の笑いを誘っていた。
 
 何事の事故もなく、最後まで進行して欲しいものである。

【収録情報】
マッケンジー
①「炉端のこおろぎ」序曲
②「十二夜」序曲
③ベネディクトゥス Op.37-3
④スコットランド狂詩曲第2番「バーンズ」
⑤劇付随音楽「コリオレイナス」
マーティン・ブラビンス指揮 BBCスコティッシュ交響楽団
録音時期:1994年8月11日-12日
録音場所:グラスゴー、シティ・ホール
録音方式:デジタル(セッション)
 
 マッケンジー(Sir Alexander Campbell Mackenzie 1847~1935)は、エルガーより丁度10年年長の人である。この人の作品もレパートリーから消えてしまっていて、エルガーに影響を与えたということで見直しされたと解説にはある。エルガーよりは1年後で亡くなっているが、エルガーは1931年にマッケンジーとの出会いは自らの音楽自生人生の中の一大事と書いているほど、生前は重要な人だったようである。
 
 いずれもこのアルバムで初めて聴く作品ばかりである。マーティン・ブラビンスという指揮者は隠れたイギリス音楽を多くハイペリオンに録音してきて、定評のある指揮者である。彼が指揮するので聴いてみる気になった。編成は大きいようで、保守的な響きがする。しかし、特色が薄いのも事実でここらあたりが聴衆に飽きられる要素を孕んでもいりとも言える。こうした録音が出現して、再び演奏会でも取上げられるかは、わからない。
                                                          
 
 

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