2013年03月

【収録情報】
・リヒャルト・シュトラウス:『アラベラ』全曲

 エミリー・マギー(アラベラ)
 ゲニア・キューマイヤー(ズデンカ)
 トマシュ・コニェチュニ(マンドリーカ)
 ミヒャエル・シャーデ(マッテオ)
 ヴォルフガング・バンクル(ヴァルトナー伯爵)
 ゾリアナ・クシュプラー(アデライーデ)、他
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)

 演出:スヴェン=エリク・ベヒトルフ
 装置:ロルフ・グリッテンベルク
 衣装:マリアンネ・グリッテンベルク

 収録時期:2012年5月6,9日
 収録場所:ウィーン国立歌劇場(ライヴ)
 
 R.シュトラウスの歌劇「アナベラ」は既にMETやチューリヒ歌劇場の映像が出ているが、これはウィーン国立歌劇によるもの。ホフマンスタールとの最後の共同作業となった作品としても知られる。
 
 「サロメ」のようにおどろおどろしさもなく、「薔薇の騎士」のような時代劇でもなく、作曲当時の時代に近い現代劇でしかも喜劇。それにしては管弦楽がやや重たく聴こえる。もちろんシュトラウスの達者なオーケストレーションではあるのだが。
 
 今回の舞台も若干時代を現代に近付けている。設定は1860年頃だが、舞台は1920年代後半のような感じである。話も他愛のないもので、そうした時代設定の変更もあまり気にならない。
 
 

【収録情報】
1. 呉祖強:琵琶協奏曲『草原の小姉妹』  
2. スーザ:星条旗よ永遠なれ
3. リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124

劉徳海(琵琶:1)、 劉詩昆(ピアノ:3)
小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
 

録音時期:1979年4月  録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール  録音方式:ステレオ(アナログ/セッション) 原盤:PHILIPS
 

小澤征爾指揮ボストン交響楽団によるフィリップス録音第1弾となったアルバム。ピアニストの劉詩昆は第1回チャイコフスキー・コンクールの第2位入賞者でした。(ユニバーサルミュージック)
 
 これはLP時代からその存在を知っていたものである。中国の作品と中国のソリストとの共演ということで、アメリカ合衆国と中華人民共和国との友好を強調したような趣のアルバムではあったが、初出当時はゲテモノ視していて手を出さなかった。
 
 今回、聴いてみる気が起きたのは、中国や朝鮮などの民謡でもなかなかいいものがあって、そういうものを応用した楽曲に最近興味が出てきたからだ。琵琶といっても日本のものとは少し音色も奏法も異なるが、民族的な雰囲気はやはり魅力がある。政治的な意味づけがなされているようだが、そういうものは却って鑑賞の邪魔ではなかろうか。
 
 リストのソロを担当する劉詩昆は1958年のチャイコフスキー・コンクールで、先日亡くなったヴァン・クライバーンに次いで2位となった実力者。
 
 もうこの録音も30年以上も前のもので、ソリストたちはどうしているのだろうか。指揮者の小澤も今は病気がちで活動もままならない。月日の経過を感じる。
 

【収録情報】
ヴェルディ:
・歌劇『シチリア島の夕祷』よりバレエ音楽『四季』
・歌劇『マクベス』第3幕よりバレエ音楽
・歌劇『ドン・カルロ』第3幕よりバレエ音楽
・歌劇『オテロ』第3幕よりバレエ音楽
・歌劇『アイーダ』第2幕より奴隷の踊り、バレエ音楽
ジェイムズ・レヴァイン指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
 
録音時期:1992年 録音場所:ニューヨーク、マンハッタン・センター  録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 
 ヴェルディのオペラはフランスで初演されたものもあり、当地のグランド・オペラ形式のものも多々ある。オペラにバレエを挿入するというのは、そういう形式の一つである。しかし、舞台効果としては流れを阻害するものもあると考えられて、カットされることも多い。
 
 上に掲げた中で、「アイーダ」以外の音楽はしばしばカットされることがあるのではなかろうか。殊に「ドン・カルロ」なんかはほぼオリジナルであっても、バレエだけはカットされた上演の映像を目にしたこともある。最初の歌劇『シチリア島の夕祷』よりバレエ音楽『四季』も実に長くカットされるのもわかる気はする。手許にある上演映像では、しかし、ちゃんと挿入されていた。
 
 そういう意味でまとまった形で録音してくれたのは、たいへん貴重でありがたいと思うのである。

【収録情報】
・ブラームス:交響曲第2番ニ長調 op.73
・ファリャ:『三角帽子』組曲第1番、組曲第2番
 録音時期:1961年12月8日

・ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 録音時期:1961年12月1日
エルネスト・アンセルメ指揮 ボストン交響楽団
 
 まず、このような録音があるとは全く知らなかった。しかもうれしいことにステレオ録音なのである。クレンペラーがフィラデルフィアに客演した折のものもステレオ収録だったが、あれらよりははるかに状態はいい。
 
 この巨匠がデッカへ手兵でセッション録音したものばかりだが、これは実演であるのが、興味あるところであるのと、オーケストラの性能は遥かに上をゆくボストン交響楽団との共演も注目である。
 
 この人によるブラームスはこれが初めて耳にするが、独特のテンポであるのがおもしろい。ちょっと音の流れを止めたりするところなんかは他にはないものだ。意外とテンポに変化をつけている。
 
 ファリャは自身が初演した作品だけに組曲とはあるものの、普通組曲に入ってない箇所も挿入したりと、ある意味思い入れがあるのであろう。これはデッカの全曲盤も所持しているが、こちらの方がアグレッシヴに聴こえた。
 
 ミュンシュ時代後期にあたるこのオーケストラの一つのピークのころの記録である。

 記事でソウル市民が指摘している通り、戦争を知らない若き独裁者は恐いもの知らずのように見える。何をするかわからないという異様な不安は韓国の市民だけの問題ではなく、日本に住む我々も同様である。
 
 繰り返すが、彼はスイス留学経験があって、外部の空気を吸っていたはずだ。それが父親以上に何をするかわからないのは、どういうことか。下手に妥協すると軍部が反発して、命が危ういか。何やら韓国時代劇の宮廷内部のような感じである。それとも正真正銘アホかである。

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