2014年06月

<Disc1>
『管弦楽のためのパッサカリア Op.1』
『軽やかな小舟に乗って逃れよOp.2』
『「第7の環」による5つの歌曲 Op.3』
『5つの歌曲 Op.4』
『弦楽四重奏のための5つの楽章Op.5』
『管弦楽のための6つの小品 Op.6』
『ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7』
『2つの歌曲 Op.8』
『弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9』
『管弦楽のための5つの小品 Op.10』
『チェロとピアノのための3つの小品 Op.11』
『4つの歌曲 Op.12』

<Disc2>
『4つの歌曲 Op.13』
『6つの歌曲 Op.14』
『5つの宗教的な歌 Op.15』
『ラテン語のテキストによる5つのカノン Op.16』
『3つの宗教的民謡 Op.17』
『3つの歌曲 Op.18』
『2つの歌曲 Op.19』
『弦楽三重奏曲 Op.20』
『室内オーケストラのための交響曲 Op.21』
『四重奏曲 Op.22』
『3つの歌曲 Op.23』
『9つの楽器のための協奏曲 Op.24』
『3つの歌曲 Op.25』

<Disc3>
『眼の光 Op.26』
『ピアノのための変奏曲Op.27』
『弦楽四重奏曲 Op.28』
『カンタータ第1番 Op.29』
『管弦楽のための変奏曲 Op.30』
『カンタータ第2番 Op.31』
『弦楽四重奏のための5つの楽章Op.5(弦楽合奏版)』
『バッハ:音楽の捧げものより6声のリチェルカーレのオーケストレーション』
『シューベルト:ドイツ舞曲集(ウェーベルン編)*』

【演奏】
ピエール・ブーレーズ(指揮:監修), ロンドン交響楽団, ジョン・オールディス合唱団, ジュリアード弦楽四重奏団, ヘザー・ハーパー(Sp), チャールズ・ローゼン(P), アイザック・スターン(Vn), グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc), ジョン・ウィリアムス(G), 他, / アントン・ヴェーベルン(指揮) フランクフルト放送管弦楽団*

【録音】
1967~1972年[ステレオ:セッション]
1932年[モノラル:ライヴ]*

ヴェーベルンの作品番号のついたものを網羅した全集。ブーレーズが指揮及び監修したもの。CBSに当時専属していたソリストや歌手が集結していて壮観である。

寡作にして作品自体もたいへん短い。音の断片のようなものというのが、正直な感想である。あまり編成に関係なく、響きは似たように聴こえる。余計難しく聴こえてしまうのは、まだまだ修行が足りないのだろう。


プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』全曲

トゥーランドット:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)
皇帝アルトゥム:ピエロ・デ・パルマ(テノール)
ティムール:ルッジェロ・ライモンディ(バス)
王子カラフ:プラシド・ドミンゴ(テノール)
リュー:バーバラ・ヘンドリックス(テノール)
ピン:ゴットフリート・ホーニク(バリトン)
パン:ハインツ・ツェドニク(テノール)
ポン:フランシスコ・アライサ(テノール)
役人:ジークムント・ニムスゲルン(バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1981年5月、ウィーン
デジタル録音
 
 初出当時、評判を呼んだ録音で、もう30年以上も前の録音だ。当時はオペラは音だけでなく、所作演技も含めて観たいと思うようになっていて、CDやレコードの鑑賞には消極的なっていたのを覚えている。それにリッチャレッリがタイトル・ロールはいささか荷が重いのではという疑問もあって、永らく聴くことはなかった。
 
 それが最近、巨匠カラヤンを見直そうと思うようになり、価格も廉価になったので、聴こうと思ったのだ。実はこの演目をCDとしては初めて購入したものだ。映像ソフトが先行してしまったのである。字幕などで親しんでいたので、だいたいどういうシーンかは頭に入っているので、逆に楽に鑑賞できた。
 
 さて、カラヤンはVPOを振ったプッチーニのオペラはこれが3つ目ではなかろうか。デッカに「トスカ」と「蝶々夫人」があった。今回はデジタル時代になっての録音。歌手も一流、オーケストラ、コーラスも一流で組み合わせは申し分ない。演奏も極上と言いたいが、やや劇的な緊張が感じられなかった。実演とセッションの違いがあるのかもしれない。第1幕のフィナーレはもっと劇的でもよいのではないかと思うのだが、この録音はややおとなしい。タイトルロールはなかなか声を発しないという少々ユニ-クな作品だ。第2幕も第2場になって初めて台詞がある。2枚組の内、2枚目の冒頭でようやくリッチャレッリの歌声に接するという構成。やはり、この役には少々軽めの声だ。ワグネリアンのドラマティック・ソプラノを念頭に書かれたのだから、ここは少々不満なところ。
 
 しかし、冷静に考えるとカラフという男の軽率なところや、トゥーランドット姫の身勝手で往生際の悪さは、どうも共感を覚えない。最後、何となくめでたしめでたしで無理やり完結しているのも、芝居構成上不満を覚える。これは演奏内容とはいささか異なる次元ではある。

①ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調 op.53
②グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 op.82
③カバレフスキー:ヴァイオリン協奏曲ハ長調 op.48
 ダヴィッド・オイストラフ(vn)
 ソヴィエト国立交響楽団
 キリル・コンドラシン(指揮)①②
 ドミトリ・カバレフスキー(指揮)③
 録音:1949年①③ 1948年②
 
 これは歴史的録音専門の「Preiser」というレーベルのもの。まだ壮年期のオイストラフの演奏記録であるが、録音はやや古びているものの、聴きやすい状態である。①②の指揮を担当するコンドラシンもまだ30代半ばである。一方、③は作曲者自身の指揮というのが貴重だ。
 
 もうこの当時から確固たるものを持って演奏しているようである。上手すぎて小憎い感じもする。ただし、オーケストラはややアンサンブルが荒い感じがした。

【収録情報】
ウォレス:
・交響詩第5番『サー・ウィリアム・ウォレス』
・交響詩第6番『ヴィヨン』
・交響詩第1番『ベアトリーチェの死』
・交響詩第3番『シスター・ヘレン』
マーティン・ブラビンス指揮 BBCスコティッシュ交響楽団
録音時期:1995年12月12,13日
録音場所:グラスゴー、シティ・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 
 以前、フルプライスで出ていたのを、番号を改めバジェットプライスに改定しての再リリースのようだ。そして、まだまこうした未知の作曲家は多いと思い知らされた。やはり通販だけでなく、実際店舗を覗くとこうした発見があることがある。
 
 ウォレスは1860年生まれのイギリスの作曲家。マーラーなどと同い年だ。保守的な構成で、どこかワーグナーに影響されたのでは感じるところが多々ある。それでいて、イギリス音楽らしいメロディもある。地味な分、損をしているような感じもする。ブラビンスが振っているならということで、購入した1枚だった。

【収録情報】
・フィリップ・スパーク:陽はまた昇る
・フィリップ・スパーク:オリエント急行
・フィリップ・スパーク:エンジェルズ・ゲートの日の出
・フィリップ・スパーク:ウィークエンド・イン・ニューヨーク
・フィリップ・スパーク:メリーゴーランド
・フィリップ・スパーク:ダイアモンド・コンチェルト - ユーフォニアム協奏曲第3番
・フィリップ・スパーク:宇宙の音楽
・バリー・グレイ(編曲:フィリップ・スパーク):サンダーバード

フィリップ・スパーク指揮 シエナ・ウインド・オーケストラ
外囿祥一郎(ユーフォニアム)
 
2014.1.11 文京シヴィック(ライヴ)
 
 一般の音楽ファンには馴染みが薄いかもしれないが、吹奏楽を齧った人には有名な作曲家である。ことに「陽はまた昇る」は東日本大震災の被害者を追悼して出来た作品。元来あった金管バンドようの作品を吹奏楽用に改定して出来たもの。楽譜などの収益は赤十字に寄付されているという。
 
 1950年生まれでトランペットと作曲を収めて、主に金管バンドや吹奏楽のための作品を中心に活動している。イギリスらしいメロディアスな作品も多い。ソロの外囿祥一郎は自衛隊の音楽隊出身の名手。今は退官してソロ活動や後進の指導に当たっている。
 
 とにかく聴いて、楽しくなる音楽ばかりだ。もっと広く聴かれていいと思う。

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