2017年10月

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台本:アッリーゴ・ボーイト
原作:ウィリアム・シェイクスピア「ハムレット」

【演奏】
パオロ・カリニャーニ(指揮)
ウィーン交響楽団
プラハ・フィルハーモニー合唱団、
ブレゲンツ音楽祭合唱団
ルカーシュ・ヴァシレク(合唱指揮)、
ベンジャミン・ラック(合唱指揮)
パヴェル・チェルノフ(アムレット(ハムレット)/テノール)
ユリア・マリア・ダン(オフェーリア(オフィーリア)/ソプラノ)
クラウディオ・スグーラ(クラウディオ(クローディアス)/バリトン)
シャミリア・カイザー(ゲルトルーデ(ガートルード)/メゾ・ソプラノ)
ジャンルカ・ブラット(幽霊&司祭/バス)
エドゥアルド・ツァンガ(ポローニオ(ポローニアス)/バス)
セバスチャン・スーレ(オラツィオ(ホレイショー)/バス)
バルトシュ・ウルバノヴィッチュ(マルチェッロ/バス)
パウル・シュヴァイネスター(ラエルテ(レアティーズ)/テノール)
ジョナサン・ウィネル(ゴンザーガ王&伝令/テノール)
ザビーネ・ウィンター(女王/ソプラノ)
平野和(ルチアーノ&第1の墓掘り人/バス・バリトン)
ハンス=ヨルグ・ウルム(第2の墓掘り人/黙役)

演出:オリヴィエ・タンボージ
装置:フランク・フィリップ・シュレスマン
衣裳:ゲジーネ・フェルム
照明:ダヴィ・カニンガム
振付:ラン・アルトゥール・ブラウン
ドラマティック・アドバイザー:オラフ・A・シュミット

【収録】
2016年7月20日 ブレゲンツ祝祭劇場「第71回ブレゲンツ音楽祭」

>毎年夏にオーストリアのブレゲンツで行われる音楽祭の2016年ライヴ収録。演目は作曲家フランコ・ファッチョの隠れた名作である歌劇『アムレット』です。フランコ・ファッチョは、ほとんど知られていない作曲家ですが、ヴェルディの歌劇「オテロ」の初演時の指揮を務めた人物。ヴェルディのオペラをはじめ当時のオペラ界に精通していたので、ファッチョ自身は、大きな野心をもってこの作品に取り掛かっていました。台本作家として成功おさめていたボイートがこの台本も手掛け、1865年にジェノヴァで初演、1871年にスカラ座で改訂後再演されました。しかし、初演での評価は芳しいものではなく、以後143年間上演された記録がありませんでした。2014年にオペラ・サウスウェスト(アメリカ)で143年ぶりに全幕上演され、近年再評価が進んでいます。そして、2015年にブレゲンツ音楽祭の総監督に就任したエリザベート・ソボトゥカの尽力により、今回ブレゲンツ音楽祭で上演が叶いました。初演時の不評はキャスティングにあったと言われています。ファッチョは、主要キャストだけではなく、すべてのソリストに対して高い技量を求めました。ですので、今回の上演にあたっても万全の歌手陣が選ばれました。気鋭のチェコ人テノール、パヴェル・チェルノフが宇市演じるハムレット、イタリアの新星バリトン、クラウディオ・スグーラが歌うクローディアス、ソプラノのユリア・マリア・ダンが演じるオフィーリア、さらに、ウィーンで活躍する日本人バス・バリトン、平野和がルチアーノと墓掘り人夫を演じているのにも注目です。
キングインターナショナル

 添付のライナーノートには長きに失われた傑作という見出しがあった。ご存知シェークスピアの戯曲「ハムレット」のオペラ化したものだが、何故143年もの間上演されなかったのか。一つには少しも晴れやかではなく、陰惨な印象が強く初演当時の観衆は嫌がったのかもしれない。そしてあまり親しみのあるメロディが少ないのも原因があるかもしれない。音楽自体は少しも難しくはなく、古典的なイタリアオペラの響きだ。構成を眺めるとこれはこれでたいへんな力作なのである。販売元の解説にもある通り、フランコ・ファッチョはボーイトともどもヴェルディと同時代に生きていた人で、ヴェルディの「オテロ」の初演指揮者で、この3人は繋がりもある。

 映像を見ると変な現代化にはなっておらず、シェークスピアの世界そのものである。先日BSで観たグライドボーンの現代オペラもそうで、馴染みのない演目だからだろうか、古典的な舞台であるのはうれしい。                                             

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 CSの東映チャンネルで中島貞夫監督の「日本の首領(ドン)」三部作を放映していたので、観てみた。最後の1978年に製作された完結篇は封切り当時「丸の内東映」で観ていた。御大の千恵蔵が出ていたので、当時興味が湧いて東映本社下の映画館に足を運んだ。

 どれも2時間前後の長編。音楽は黛敏郎を起用して、東京交響楽団が演奏するとのクレジットタイトルで出てきて、この企画に東映はある意味、賭けていた節がある。だが、残念ながら宣伝とは裏腹に普通のヤクザ映画に堕してしまっている。やたら拳銃を撃つシーンが多く、もう少し他にやりようはないのかと素人でも思ってしまう。せっかく佐分利信を関西やくざのドンに起用、他に鶴田浩二や第二部からは三船敏郎などを起用しておきながら、もったいない。政財界と闇社会の結び付なんかをもっと突っ込んで欲しかった。抗争シーンばかりでは面白くない。また、当時公開されたアメリカ映画「ゴッドファーザー」を意識して、それを模倣したようなシーンもいただけない。

 中島貞夫監督は職人監督であり、チンピラなんかを描いた「893愚連隊」なんかは実に秀逸だったが、こういう大作となると少々荷が重かったのかなと思った。しかし、この描写は高田宏治のシナリオに責任の大半はあるのかもしれない。


"ルル"


ルル…マルリス・ペーターゼン(ソプラノ)
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢…ダニエラ・シンドラム(メゾ・ソプラノ)劇場の衣装係/ギムナジウムの学生
   …レイチェル・ウィルソン(アルト)
医事顧問官/銀行家/教授
   …クリスティアン・リーガー(バス・語り)
画家/黒人…ライナー・トロスト(テノール)
シェーン博士/切り裂きジャック…ボー・スコウフス(バリトン) 他キリル・ペトレンコ指揮 バイエルン国立管弦楽団
ドミトリー・チェルニアコフ(演出)
エレーナ・ザイツェヴァ(衣装)
グレブ・フィルシュティンスキー(照明)
マルテ・クラスティング(ドラマトゥルギー)







 BPOの次期シェフが決まった頃のキリル・ペトレンコの指揮による「ルル」の公演ライヴ。何度聴いても難解な音楽ではあるが、こうして舞台を観ることで理解ができるレパートリーの一つでもある。設定は20世紀初頭あたりに時代が替わっているような感じだ。

 この舞台はやや演出がどぎつく、好悪が余計に分かれるところだろう。ややわかりやすいのはいいが、露骨に見せつけられると顔をそむけたくなる。切り裂きジャックにルルが殺されるところはルルが自殺するような感じもあってややあっけない感じもした。他の映像ではルルの断末魔の叫びが舞台裏から聞こえるように演出されていたが、ここでは殺されるところが真正面に出てくる。

 音楽の方は、演奏は難しいのだが、何か平然と演奏し通すようなところがあって、流石だと感心した。舞台の奥ではペトレンコの指揮姿の映るモニターが置いてあったりしたのが面白いと思った。

イメージ 1
①ストラヴィンスキー:バレエ音「春の祭典」 2017.5.19 東京オペラ・シティ・コンサ-ト・ホール:
②バーンスタイン:「ウェスト・サイド物語」より シンフォニック・ダンス  2014.1.31 サントリーホール
アンドレア・バッティストーニ指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 ライヴ録音


 今や旬の若手指揮者による20世紀の傑作の組み合わせである。バーンスタインの方は予定されていた女性指揮者の出産のための代役だったという。東京フィルはいい指揮者を選んだと思う。私が若い頃のこのオケは今一つの演奏しかしてくれなかったのだが、結構公苑している。人員も変わっただろうし、新星日本交響楽団を併合したということもあって、メンバーを3交替で回しているとか、いろいろ工夫して公演しているというから、ずいぶん変わったのだろう。

 さて、演奏だが、かなりバーバリズムに徹した演奏であるのがストラヴィンスキーだ。シモン・ボリバルがいささか拍子抜けのおとなしい演奏だったのに比して、こちら爽快なほど暴れまくるといった趣だ。バーンスタインの方はリズムなどの刻みが明確に聞こえてきて、自作自演盤よりははっきりとパートが聞こえてくる。やはりオペラの指揮者なので歌わせるところ歌うという感じである。

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【収録情報】
●メンデルスゾーン(1809-1847):交響曲第2番変ロ長調 作品52「賛歌」(1840)
ルーシー・クロウ(ソプラノ)
ユルギタ・アダモニテ(メゾ・ソプラノ)
マイケル・スパイアーズ(テノール)
サー・ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
ロンドン交響楽団
モンテヴェルディ合唱団
録音時期:2016年10月16&20日
録音場所:バービカン・センター(ライヴ)

 交響曲というよりはカンタータに近い作品だが、冒頭のトロンボーンによる勝利の確信めいたファンファーレはかっこよくこの曲の最大の魅力の一つだと思う。ソリストの歌手は残念ながら、知らない人たちだが、コーラスはガーディナーの手兵のモンテヴェルディ合唱団でこうした宗教的なものは得意とするところではなかろうか。演奏よし録音よしのディスク。ブルーレイのオーディオとSACDのハイブリッド盤が組み合わさっている。

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